どうもでございます。
ばすてい(@morosaredo)です。
近年、若い世代を中心に流行に火が着いた“シティポップ”と呼ばれる音楽群。
都会的な洗練されたサウンドが我々若い世代の目に新しいものとして映り、急加速的に全世界でブームが巻き起こっています。
そんなシティポップのアイコン的役割を担っているのが、山下達郎の作品です。
山下達郎とは
みんな知っててみんな大好きなあの名曲「クリスマス・イブ」ですが、歌っている山下達郎についてはよく知らないという方も、もしかするといらっしゃるかもしれません。
1953年、池袋生まれ。日本を代表するミュージシャンの一人です。
1975年、これまた日本を代表するミュージシャンである大貫妙子らとバンド“シュガー・ベイブ”を結成し、アルバム『SONGS』をリリース。
歌謡曲やフォークソングが音楽シーンを席巻していた時代にリリースされたこのアルバムは、それらとあまりにかけ離れているためか当時はあまり売れなかったようですが、後年に“J-popの礎となった作品”と評され神格化されるようになりました。
その後ソロデビューし、1980年にシングル「RIDE ON TIME」が大ヒット。以降、『RIDE ON TIME』や『FOR YOU』といった名盤アルバムを世に生み出していきます。
他のミュージシャンへの楽曲提供も行い、KinKi Kidsの「硝子の少年」、近藤真彦の「ハイティーン・ブギ」、嵐の「復活LOVE」などヒットを飛ばしました。
山下達郎を一言で表すなら、“職人”。
“音”や”音楽に向き合う姿勢”に強いこだわりを持っており、作曲から演奏、編曲、マスタリングなど全て一人で行うことも多くあります。
山下達郎の音楽の魅力をざっくりとご紹介
サウンドがカッコイイ
やはり筆頭はこの曲でしょう。名盤『FOR YOU』収録の「SPARKLE」。
山下達郎の楽曲の大きな特徴であるギターカッティングから始まり、夏の海の爽やかさが物凄い勢いで炸裂します。
夏の曲を作らせたら右に出る者はいないな、なんて思っていたら今度は最高のクリスマスソングを発表。
それが「クリスマス・イブ」。このように、様々なサウンドを使いこなし、曲ごとに使い分けています。
こういった、音楽に関する膨大な知識量と音楽に向かう職人的な姿勢によって、幅広い楽曲を作り上げているわけであります。
こちらの動画で色々な曲を試し聴きできるので、山下達郎の世界観を体感することができます。
(映像の世界観に合わせてか、音に加工がされていて音質が少し落ちています)
とりあえずまずはこの一枚
全ての人がまず初めに聴くべきはこのベストアルバムだ!!
2012年発売のベストアルバム『OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~』。
シュガーベイブとしてデビューした1975年から、2012年までの楽曲のうち重要作をピックアップして収録。
すべて新しくミックスをし直し、マスタリングも新技術を活用しているため、音質が最高です。音の撮り直しやアレンジはしていないため、ただ純粋に音がクリアーになっています。
「高気圧ガール」や「さよなら夏の日」など有名曲はもちろん、ファン人気の高い初期の傑作も多数収録。収録曲数なんと49曲です。
山下達郎の全キャリアを通しで俯瞰することができるため、まずはこの一枚を強くおすすめします!!!!!
おすすめアルバム3選
FOR YOU
リリース : 1982年1月21日
オリコンチャート : 週間1位
収録曲 :
- SPARKLE
- MUSIC BOOK
- INTERLUDE A Part I
- MORNING GLORY
- INTERLUDE A Part II
- FUTARI
- LOVELAND, ISLAND
- INTERLUDE B Part I
- LOVE TALKIN’ (Honey It’s You)
- HEY REPORTER!
- INTERLUDE B Part II
- YOUR EYES
やはり、まずはなんと言ってもこれでしょう。1983年発売、6thアルバム『FOR YOU』。
国内外で非常に人気が高く、このアルバムのレコード盤は定価の数倍のプレミア価格が付いています。
「CITY POP」と呼ばれる音楽群を牽引するような代表的なアルバムであり、海外からこのアルバムを購入するために来日する人も少なくありません。
爽やかな夏がはじけるような、印象的なギターカッティングの名曲「SPARKLE」から始まり、心をかき立てられます。
海沿いをドライブしながら流したい「LOVELAND, ISLAND」や、ひと夏の終わりを感じさせる美しいバラード「YOUR EYES」など、名曲ぞろい。
僕の中の少年
リリース : 1988年10月19日
オリコンチャート : 週間1位
収録曲 :
- 新(ネオ)・東京ラプソディー
- ゲット・バック・イン・ラブ -Get Back In Love-
- The Girl In White -ザ・ガール・イン・ホワイト-
- 寒い夏
- 踊ろよ、フィッシュ
- ルミネッセンス -Luminescence-
- マーマレイド・グッドバイ -Marmalade Goodbye-
- 蒼氓
- 僕の中の少年
ファン人気の高い傑作。1988年発売、9thアルバム『僕の中の少年』。
今作は様々な葛藤や環境の変化の末に生まれた作品であり、かなり特異な作品といえます。
山下達郎の全アルバムの中で唯一の日本語タイトルであるということからも、この作品が他と少し違うということがわかります。
レコーディングがアナログ方式からデジタル方式になる時代の過渡期であったということ、夏ソングを作らせたいスタッフサイドとの方向性のズレ、体調や人間関係による憔悴、子どもの誕生。
そしてそんな自分のなかでせめぎ合う”子どもの自分”と”大人の自分”。
そうして生まれたのがこの『僕の中の少年』なのです。
特筆すべき曲は何といってもこちら。「蒼氓」(そうぼう)です。
山下達郎の曲の中でも他と明らかに何かが違います。
個人的な話ですが、高校時代は夜中に布団の中でこの曲を聴きながらブワっと涙を流し、「自分も生き続けよう」と強く心に思ったことがよくありました。
そういう力のある曲です。
そして「踊ろよ、フィッシュ」。
夏らしさ溢れる、炎天下で聴きたい曲です。
COZY
リリース : 1998年8月26日
オリコンチャート : 週間1位
収録曲 :
- 氷のマニキュア
- ヘロン
- FRAGILE
- DONUT SONG
- 月の光
- 群青の炎 -ULTRAMARINE FIRE-
- BOOMERANG BABY
- 夏のCOLLAGE
- LAI-LA -邂逅-
- STAND IN THE LIGHT –愛の灯–
- セールスマンズ・ロンリネス –SALESMAN’S LONELINESS–
- SOUTHBOUND #9
- DREAMING GIRL
- いつか晴れた日に
- MAGIC TOUCH
1998年発売、11thアルバム『COZY』。
Kinki Kidsの「硝子の少年」を手掛けた翌年であったことや、そもそも90年代という時代がCDのよく売れる時代であったことから、とにかく売れに売れた作品です。
発売から10日間で80万枚出荷したとのこと。
おすすめの曲は「ヘロン」「DONUT SONG(ドーナツ・ソング)」「DREAMING GIRL(ドリーミング・ガール)」あたり。
「DONUT SONG(ドーナツ・ソング)」はミスタードーナツのCMソングとして制作され、歌詞に様々なドーナツが登場します。”実はこの歌詞、下ネタなんじゃないか説”みたいな面白い話もあるので、気になった方はぜひ調べてみてくださいね。
という感じ
という感じでございました。
まぁ結局のところ最初の1枚におすすめしたいのはベストアルバムの『OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~』なんですが、オリジナルアルバムだとこの3枚になりますね。
ネクストステップとして、『JOY』というライブアルバムも非常におすすめです。ライブ音声とは思えない声量、肺活量、安定感、演奏力、そしてパフォーマンス…。山下達郎、ハンパないぜ…!と思える内容で、きっと大ファンになってしまうことでしょう。
2022年に発売された、11年ぶりとなる最新アルバム『SOFTLY』も要チェックだ!