音楽アルバムの大切な要素と言っても過言ではない、カバージャケット。
複数の曲を”アルバム”という一つの作品にまとめ、世界観を作り上げることに大いに貢献している重要な要素です。
素晴らしいアルバム、いわば名盤のジャケットは、どれも神秘的なまでの輝きを放ち、我々を魅了し続けています。
レコード屋やCDショップでは名盤アルバムは壁に飾られており、見かけるとつい心の中で感嘆の声を漏らしてしまうというのはあるあるだと思います。
音楽好きの人々の印象に強く残っている名盤ジャケット。
その特徴を4つの抽象的な文章にし、それが何のアルバムなのか当てられるか。
そんなクイズを作ってみました。
今回は邦楽編です。様々な調査やランキング、SNSなどの意見をもとに名盤を選出しました。
第1問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 男性4人の顔。
- 豪華すぎる顔ぶれ。
- 写実的なイラスト。
- 全体的にセピア色っぽい。
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答え
正解 : 『風街ろまん』 – はっぴいえんど
様々な雑誌やサイトが企画する名盤ランキングにおいて、高頻度で1位に選ばれていますね。
もしかしたら出題前から、「どうせ1問目は『風街ろまん』だろ」とわかっていた人もいっらしゃるかもしれません。ザッツライトでございます。
大滝詠一、細野晴臣、鈴木茂、松本隆という、その後音楽界の重鎮となるメンバーで構成されたバンドはっぴいえんど。ジャケットはメンバーの肖像画です。
「日本語でロックの曲を作るためにはどうすれば良いのか」を研究していた若かりし頃の四人が導き出した”答え”が、このアルバムです。
歴史的名盤です。
第2問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 赤色の背景。
- 複数の物体が集まり、一つの形を成している写真。
- 「複数の物体」とは、主に日用品。
- アルバムタイトルが上部の中央に書いてある。
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答え
正解 : 『YELLOW DANCER』 – 星野源
2015年発売。その完成度の高さから、2010年代を代表するアルバムの一枚と言われることもしばしばありますね。
ソウルやR&B色の強い星野源の音楽のスタイルは、本作で確立されたという印象があります。
第6回ミュージック・ジャケット大賞を受賞。
第3問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 一人の男性が塀を飛び越えている。
- 塀には、男性の影が長く伸びている。
- 塀の向こうは夕暮れっぽい色が広がる。
- 右下にアルバムタイトルとアーティスト名が英語で記載されている。
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答え
正解 : 『十七歳の地図』 – 尾崎豊
1983年リリース。早世した天才シンガー尾崎豊の1stアルバム。
10代の苦悩や葛藤を等身大のまま歌にし、高い評価を得ました。累計セールスは300万枚を越えているそうです。
「壁を飛び越える」というこのジャケットは、非常に示唆的なデザインなのかもしれません。
着地後、このまま盗んだバイクで走り出すことでしょう。
第4問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 真っ黒な背景。
- ほんの少し首を傾けているふわふわした猫。
- 以上!
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答え
正解 : 『燦々』 – カネコアヤノ
2019年リリース。可愛らしくもインパクトのあるジャケットですね。
2020年代の重要アーティストとなる可能性が非常に高いシンガーソングライター、カネコアヤノの2ndアルバム。
CDショップ大賞〈青〉を受賞。
カネコアヤノにしか表現できない詩と音楽の世界を広げており、それがなんとも魅力的。
私の高校にも熱狂的なファンがいます。
第6問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 白黒の写真。
- かなり白飛びしている。
- 楽屋のような部屋で男性が椅子に座ってギターを弾いている。
- 左上に紫(淡い青?)でアルバムタイトル。その下に黒色でアーティスト名。両方とも独特なフォント。
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答え
正解 : 『氷の世界』 – 井上陽水
1973年リリース。ご存じ、日本で初めてミリオンヒットを飛ばしたアルバムです。
ロックな曲調の表題曲「氷の世界」から、フォーク色の強い小椋佳作詞による「白い一日」、個人的に全人類聴いてくれと思う忌野清志郎との共作「帰れない二人」など、多彩な作品が収録されているが全てに統一感があり完成されています。
このジャケットの独特の色味は、ネガを現像液に浸けておく時間が長くなったことが原因であると、のちにジャケ写を撮影した中村冬夫が語っています。
そして井上陽水が手にしているギターは忌野清志郎のものだそう。
第7問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 真っ黒な背景
- 真っ黒なスーツに身を包んだバンドメンバー4人がサングラスをかけて並んでいる
- ネクタイは真っ白
- 左上にアルバムタイトルとアーティスト名
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答え
正解 : 『ギヤ・ブルーズ』 – thee michelle gun elephant
1998年リリース。濃厚なロックサウンドが心地良い一枚。
90年代ロックの金字塔アルバムの一つであり、thee michelle gun elephantの最高傑作とする人も少なくない。
Gt.アベ フトシの巧みなギタープレイも聴きどころの一つ。そこにVo.チバ ユウスケのパッションに溢れた歌声が乗っかり、初めて聴いた時「これぞロックだ……!」と思わず鳥肌が立ってしまったことをよく覚えています。
第8問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- ピンク色の背景。
- 水色の線で、円筒形の筒がいくつか描かれている。
- 筒はすべて中身がくり抜かれている。
- 中央左側に白字でアルバムタイトルとアーティスト名。
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答え
正解 : 『空洞です』 – ゆらゆら帝国
2007年リリース。間違いなく、2000年代を代表する一枚。
あまりにも完成度が高い。ボーカルである坂本慎太郎は「このアルバムを制作したことでゆらゆら帝国というバンドが完全に出来上がってしまった」として、ゆらゆら帝国を解散した。
ゆらゆら帝国にしか作れないアルバムであり、これを世に生み出してくれたことに圧倒的感謝。感謝感謝。
第9問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- セピア色の背景。
- 額縁のようなデザインの枠がある。
- 中央に黒い文字でアルバム名、アーティスト名、収録曲タイトル、クレジットが英語で記載されている。
- ざらついた紙のデザイン
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答え
正解 : 『ひこうき雲』 – 荒井由実
1973年リリース。ユーミンこと松任谷由実のデビューアルバム。当時は荒井由実の名義。
フォークソングが主流の時代に突如として現れた荒井由実と本作は、日本の音楽シーンに大きな変革をもたらしたと言われいます。
2013年には、表題曲「ひこうき雲」がスタジオジブリ作品『風立ちぬ』の主題歌に起用され、再び話題を集めたのも記憶に新しいですね(そうでもないか?)。
第10問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 全体的にオレンジっぽい色味。
- 男性が手を広げており、奥には白飛びした東京タワーが映っている。かなり薄っすらと。
- 中央にアルバムタイトル。独特なフォント。
- アルバムタイトルの下に青い文字でアーティスト名。ローマ字表記。
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答え
正解 : 『LIFE』 – 小沢健二
1994年リリース。
ミュージックマガジン発表の「90年代の邦楽アルバム・ベスト100」で1位に選出された、非常に評価の高い一枚。
当時まだほとんど存在しなかった”ラップとポップソング”の融合を実現し、大ヒットを記録した「今夜はブギー・バック (nice vocal)」や、耳に残る軽快なリズムの楽曲「ラブリー」などを収録。
古い洋楽を引用したメロディーを東京的なポップミュージックに昇華し、そこに文学的な歌詞を載せているこれらの曲は、時が経っても色褪せない名曲ばかり。
おそらく私が人生で一番聴いたアルバムです。このアルバムに出会って、音楽に熱中するようになったのです。
第11問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- ボーカルが鉛筆で描いたという、白黒のイラスト。
- 大きな木と鳥が描かれている。
- 遠くに山々。
- 雲間から光が射している。
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答え
正解 : 『ユグドラシル』 – BUMP OF CHICKEN
2004年リリース。
大名曲「天体観測」を収録した前作『jupiter』で高い評価を得るなど、脂が乗っていた時期に制作された名盤。
ロックバンドながら、音楽的な幅の広さがうかがえます。
バンプらしさ前回の爽やかな楽曲「sailing day」は、映画『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』の主題歌に起用されました。
後に発売されたベストアルバムは、本作からの収録曲が非常に多いので、バンプのオリジナルアルバムを初めて買う際は本作がおすすめ!
第12問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 男性二人のバストショット
- 奥には土の地面が続いている
- 淡い藍色の空が広がり、山際からは太陽の光が漏れ出している
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答え
正解 : 『3』 – キリンジ
2000年リリース。キリンジの3rdアルバム。
やはり特筆すべきはあの曲でしょう。
「エイリアンズ」。名曲ですね……。これも初めて聴いた時は感動で涙出そうでしたよ。
心の奥底にある感情を呼び起こす、強い力を持った楽曲です。「くらえ! ノスタルジック攻撃!」的なパワーを感じます。
シンプルなように聴こえて、実は結構奥の深い楽曲。
第13問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 前面に桜の木。
- 奥には川と橋。
- その奥にはマンションなどが並んでいる。
- アルバム名とアーティスト名は左上。
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答え
正解 : 『東京』 – サニーデイサービス
1996年リリース。サニーデイサービスの2ndアルバムです。
はっぴいえんどの直系の系譜にあるように思える、けだるくノスタルジックな空気感が特徴。
表題曲「東京」はこのアルバムを象徴する楽曲であり、1曲目として収録されています。
作品全体の世界観が体に染みてくるのを感じます。
第14問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 紺色(濃い青色?)の背景
- 潰れた煙草の吸殻が数本描かれている。
- 白色の太い縁取り。
- 色味のコントラストがはっきりしている。
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答え
正解 : 『TIMERS』 – THE TIMERS
1989年リリース。THE TIMERSの1stアルバムであり、スタジオアルバムはこれが唯一。
謎の覆面バンドTHE TIMERS。リーダーはZERRYという謎の男。しかして、その正体はRCサクセション忌野清志郎。
声を大にして言えない社会風刺のメッセージを楽曲にしています。
テレビに出るとだいたい放送禁止用語を叫んでいたそうです。最高。
そんな中でも、しっとりした楽曲もあります。それがかの有名な「デイ・ドリーム・ビリーバー」。
最近ではセブンイレブンのCMソングとしても有名ですね。
アメリカのバンドThe Monkeesが1967年にリリースした「Daydream Believer」に、忌野清志郎が独自の歌詞を付けて歌っています。
説明不要の名曲。後年、様々なミュージシャンにカバーされました。
第15問 これ、何のアルバムでしょうか!
ジャケットの特徴
- 灰色の煙のような背景(薄い墨汁なのかな?)。
- 金色と赤色の墨汁が垂れたみたいな線がある。
- 中央上部に横書きでアーティスト名。英語表記。
- アーティスト名の下に縦書きでアルバムタイトル。
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答え
正解 : 『KAMAKURA』 – サザンオールスターズ
1985年リリース。本作をサザンの最高傑作とする人も多いですね。
シンセサイザーやドラムマシンなどの電子楽器を多用したデジタルな音が本作の特徴。これが今聴いたら古臭く感じるという人もたまに見かけるが、私はそうは思いません(あばれる君?)。
さすがのサザンの技量と言いますか、サウンド自体はたしかに80年代を感じさせますが、音の使い方やメロディーでうまい具合に今の時代でも通用する楽曲として完成されていると感じました。
10代がそう感じるんだから、そんなトンチンカンなことは言ってないはず!
私の感性がトンチンカンな場合を除いて。
以上!
以上、名盤アルバムのジャケットを表した文章からアルバムタイトルを当てるクイズでした。
どれくらい正解できましたかね? この記事を書いていて気づいたんですけど、これって私と読者の皆さんの伝言ゲームみたいなものですね。
特徴を私がうまく伝えられるかにかかっていましたね。どうでしょうか。不安ですが。
何問正解したか、ぜひTwitterなどのSNSでシェアしてくださると感激です。ヒデキ、感激!つってね。
つってねじゃねーよ。ではまた。