ついにこの記事を書く時が来た……。
毎日毎日、森山直太朗の曲ばかり聴いている私が、「森山直太朗に興味があるので何か聴いてみたい」という方に最適な曲を本気で熟考してみました。
選出基準はこの辺り。
- 売り上げ
- 世間からの評価
- 完成度(主観もちょっとあり)
この3点を踏まえ、「ぜひとも聴いてほしい!!」という曲を選出しました。
今回、ファンだからって贔屓はナシで書いています。個人的な感想とはいえ、ちょっと否定的な事も書きますが、それも熱心なリスナーの意見だと思ってください。
森山直太朗関係者さん、これを読んでいたらそう思ってください。
ライブ出禁とかにしないでください。
森山直太朗の音楽の凄さ
※早くおすすめの曲を言いなさい!という人は、見出しの上にある目次から「おすすめ曲を10曲紹介します!」の項目へ飛んでください!
二人で作り上げていくスタイル
意外と知られていないんですが、森山直太朗の曲はほとんど全てが詩人”御徒町凧”との共作となっており、基本的に「詩は御徒町凧、曲は森山直太朗」という分業体制が取られています。
ただ、だいたいの場合はお互いに作ってきた詩と曲に意見を言い合って、二人で作り上げていくようなので、完全分業ではないです。
御徒町凧は森山直太朗の高校時代のサッカー部の後輩で、以降20年近くパートナーとして音楽活動を続けてきました。
ライブDVDの特典映像を観ていると、仲が良さそうに話しているシーンを多く見ることが出来ます。
しかし、ドキュメンタリー映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』ではかなり険悪なムードになったり、というシーンもあります。というか開始1秒から森山直太朗が御徒町凧への愚痴を言っています。
原因は、森山直太朗と御徒町凧との間で「ライブで表現したい世界観」にズレが生じてしまったため。
これぞドキュメンタリー。そういった点を隠すことなく、ライブを完成させるまでの軌跡を映像作品にしています。
その過程を隠したりすることなく公開し、それすらもドキュメンタリー映画という一つの作品にする技量と心持ちがあるからこそ、優れた音楽を20年もの間二人で作り上げることが出来たのかもしれません。
そもそも作詞と作曲を二人でやるということがすごい。一見、作業を分担しているから手間が半分なのでは?なんて思いがちですが、考えてみると分業って逆に難しくないですか?
自分で詩を書くなら、頭の中で曲をどういう風にするか考えながら書けるけれど、そうすることもできない。逆もしかり。
ただ、最近このコンビ関係が解消され、必ずしも作詞者が御徒町凧であるというわけではなくなりました。
二人同時に、ともに新しいステージへ歩みを始めた感じですかね。とは言っても、今後も御徒町凧による作詞曲が発表されることもたまにあるんじゃないかなーなんて予想しています。
詩人・御徒町凧の独特の詩世界
詩が凄い。これはもう大いに言いたいですね。
独特の世界観を持っていて、これがなーんか良いんですよね。なーんかって何だよと思われるかもしれませんが、なーんか良いんです。
具体的に言うのが難しいな……。
例えるなら…………「ちょっと前に撮った写真を見ているとき」みたいな気持ちになります。
例えないほうが良かったですね。
さらにその詩の良さが、森山直太朗の歌のうまさによって効力2倍。歌詞が物凄い力を持ってズバーンと心臓にぶつかってくる感じです。
森山直太朗の表現力
これはもう知っている方も多いと思います。
何と言っても歌がうまい。音程を取る力やリズム感はもとより、ファルセットなどの技術面においても卓越した力を持っています。
私の思う「シンガーソングライターの歌のうまさ」って、それに加えて「歌詞を届ける力」もあると思うんですよね。
聴いている人の胸の奥のほうに歌詞をねじ込む力。これが森山直太朗はかなり得意だと個人的に思っています。
そして作曲能力の高さも優れているということも忘れてはいけません。引き出しの多さを感じられる、色々な音楽性の曲を作っているんですよね。
なんか引くほどべた褒めしてしまいました。今まで心のうちに秘めていた、断片的な「好き」という感情を文字にして一つにまとめたらこんなことになっちゃった。
おすすめ曲を10曲紹介します!
あのー……すみません、「さくら(独唱)」と「夏の終わり」はリストから外します。みんな知ってるでしょう? 多分。
10曲という縛りを設けてしまったせいで、この2曲を入れる余裕がなくなってしまいました。まだ聴いたことがないという方は、まずはこの2曲から聴いてみてはいかがでしょうか。
必聴レベルの名曲です!
【番外編】さくら(独唱)
言わずもがな。これに関しては言うことは特にありません、というくらい有名な曲。2003年リリース「さくら(独唱)」。
卒業式の定番ですね。
2019年版と2020年版がありますが、何だかんだやっぱり2003年のオリジナルバージョンが一番好きです。
初めて聴いた時の衝撃や、ヒット前夜の森山直太朗のエネルギーみたいなものが溢れていて最高。
ただ、一つ注意点として、MVは一発撮りで歌っているため、CDの音源版とはアレンジとかがほんの少し違います。
MVばかり見てこれに慣れちゃうと、音源版を聴いた時に違和感を感じてしまう可能性があるのでお気をつけて……。
【番外編】 夏の終わり
こちらもかなり売れた曲ですね。2003年リリース「夏の終わり」。
「さくら(独唱)」の次にシングルでリリースされました。
物憂げな歌詞と美しいメロディー、ファルセットが特徴。
森山は「『さくら』でも他の曲でもなく、この曲が生まれた時に作家として確信したものがある」という。
「夏の終わり」Wikipediaより引用
正直なことを申しますと、CD音源バージョンよりMVバージョンのほうが好きです。
そう、私が初めて聴いた「夏の終わり」はこのMVバージョンだったのです。CD音源版はアレンジが全く異なり、MVより少し明るい感じになっています。
これに関してはCDバージョンに慣れるしかないのかなぁ……。MV音源をリリースしてくれたりしたら嬉しいけど……まぁないでしょうね。
あとこれ、アレンジャーさんとかにすごい失礼な話ですね。「MV版が大好き」というだけで、音源版も好きですよ!(あからさまな保身)
さぁ、ここからオススメ曲のご紹介です。結局「さくら(独唱)」と「夏の終わり」も紹介したじゃんという感じではございますが……。
風になって
2006年発売のシングル「風になって」。
爽やかなポップミュージックという雰囲気のこの曲は、日本テレビ系番組「第30回鳥人間コンテスト選手権大会」のテーマソングとして起用されました。
友人に森山直太朗のアルバムを数枚貸したところ、後日LINEで送られてきた「この曲良かったよリスト」に入っていました。
MVがシュールでちょっと面白い。
花
森山直太朗が中孝介に提供した曲。2007年、中孝介がシングルとしてリリースした「花」。
のちに森山直太朗がセルフカバーしてアルバムに収録されました。
人生を「優しく力強い花」に例えた、知る人ぞ知る名曲。
この曲、最近どうやら海外での評価が高まっているらしく、YouTubeのコメント欄を見てみると英語や中国語のコメントがかなりの数あります。
小さな恋の夕間暮れ
2005年リリース「小さな恋の夕間暮れ」。
MVからも感じられる「懐かしい実家」感。妙に落ち着く歌声、ピアノの音、メロディー。
そして、歌詞が完全に詩です。実家感はありつつも、内容はラブソング。恋人との別れを、御徒町凧独特の詩世界で表現しています。
生きとし生ける物へ
2004年リリース「生きとし生ける物へ」。
この世に存在するすべての生命を讃え、その力強さを歌った壮大な曲。個人的にかなり大好きで、一時期これしか聴いていない時期もありました。
MVもかなりかっこいいです。
MVで森山が満面の笑みを見せるシーンがあるが、撮影時どうしても笑うことができなかった森山を見かねた監督が、カメラ裏で下半身を露出させ森山を笑わせた。
「生きとし生ける物へ」Wikipediaより引用
Wikipediaに知りたくない情報が書いてありました。
レスター
「さくら(独唱)」がヒットする前に作られた、初期の傑作「レスター」。
ファンの中でとても人気の高い曲で、森山直太朗自身も特にお気に入りだと公言しています。
私が森山直太朗に急速にハマっていく原因となった曲です。
個人的に、森山直太朗の曲の中で最も歌詞が好きな曲です。
誰にも見せたくない「自分の中の本質的な部分」が共鳴する感じがして、初めて聴いた時に物凄い衝撃を受けたことをよく覚えています。
すぐそこにNEW DAYS
2020年リリース「すぐそこにNEW DAYS」。底抜けに明るい、踊りたくなっちゃう一曲。
この曲の初披露は『森山直太朗 コンサートツアー 2018〜2019 人間の森』であり、当初は落ち着いたビッグバンド調の曲でした。
しかしこのツアー以降、予定されていたライブはコロナウイルスの影響で軒並み中止となり、「すぐそこにNEW DAYS」もずーっと寝かされておりました。
そんな状態が続き、ファンの間では「もしかしてリリースされないのでは……?」という薄っすらとした不安感が広がっていたのを覚えています。
しかし! コロナ渦中の2020年夏、人々を元気づける曲としてアレンジされ、満を持してリリース!
ただ、正直なことを言います。もとのアレンジのほうが好きだった。
これは完全に好みの問題ですね。というかそっちに慣れてたから違和感が大きかっただけかも。音源版も、ずっと聴いてたら好きになりました。
花鳥風月
2010年リリース「花鳥風月」。
詞も歌も情緒的な、とても綺麗な曲です。
日本語の美しさをかなり直接的に体感できる歌詞で、こちらもファンからの人気が高い一曲。
森山直太朗がInstagramアカウントを開設してから2021年12月現在まで、プロフィール欄には「花鳥風月」の一節”この身の限り唄をする者”と書かれています。
愛し君へ
(ライブ映像より引用。再生すると「愛し君へ」から始まります)
「さくら(独唱)」「夏の終わり」の次に人気の高い曲。2004年リリース「愛し君へ」。
森山直太朗の曲の中でも、ここまでバラードバラードしたバラード曲は他にありません。バラードバラードって何だ。
Twitterなどに書き込まれた感想を見てみると、「心が浄化された」といったようなツイートが多く見受けられます。
これもまた歌詞が良い。そんでもって歌も良い。結局のところこれに尽きます……。
風花
2005年リリース「風花」。
NHK連続テレビ小説『風のハルカ』の主題歌に起用され、同年の紅白歌合戦でも披露されました。
なんか、良い意味で「いかにも2000年代の曲だなー」という感じがします。2000年代の良い曲ってこんな感じだよね、という曲のど真ん中。
制作にかなりの時間がかかったようで、一度お蔵入りしたこともあるそう。
生きてることが辛いなら
2008年リリース「生きてることが辛いなら」。リリース当時、一見過激に聞こえる歌詞の一節に賛否の意見が寄せられ、話題となりました。
それが歌いだしすぐ、冒頭部分です(ぜひ上の動画を再生して聴いてみてね)。
この曲は、御徒町凧が1997年頃に書いた詩を10年近く経って偶然森山直太朗が目にし、楽曲にしたものです。
寄せられ意見に対して森山直太朗は、「決してそのような歌ではなく、最後まで聴く事で本当の意味を汲み取ってほしい」とコメントをしました。
ここ最近、再びスポットが当てられており、MVの視聴回数は800万回を超え、1万件以上のコメントが書き込まれています。
たくさんの人が共感し、勇気をもらっているこの曲。私も大いに勇気づけられました。
著作権の関係で歌詞を載せることはできないのですが、私がこの曲から感じたメッセージは「人生なんてそんな大げさなものじゃないよ」ということ。
仕事や病気で精神的にまいっている人の「この曲を聴いて涙を流した」という感想をよく見かけます。
おわりに
という感じでございました。
2022年にニューアルバムが出そうな雰囲気があるので楽しみです。
[追記 2022年2月4日]
3月16日、ニューアルバム『素晴らしい世界』が発売されました。ついに来た……!!
デビュー20周年の今年発表される本作は、20年かけて辿り着いた到達点とも言えます。
ぜひ新譜と併せて色々聴いてみてはいかがでしょうか。
とりあえずの最初の一枚は、やはりベストアルバムがおすすめです。
代表曲からファン人気の高い隠れた名曲まで収録されている『大傑作撰』が特におすすめ。今回ご紹介した曲のほとんどが収録されています。
以上でございます!