どうもでございます。
ばすてい(@morosaredo)です。

現在私がおりますのは、東京都北区にあるJR田端駅です。

山手線(と京浜東北線)が乗り入れており、首都「東京」の大動脈の一部である重要な駅だということがわかります。
しかし、山手線のなかでは鶯谷駅、目白駅に次いで3番目に利用者が少ない駅であり、たしかに結構地味な印象です。
山手線で2番目に古い駅舎

改札を出て駅舎の前にやってきました。
これが山手線の駅!?と驚いた方もいらっしゃることでしょうが、正真正銘「JR田端駅」の駅舎です。
山手線唯一の無人改札で、人の気配はありません。

駅前はこんな感じで、細い路地と葬儀場があるだけ。

しかも出た瞬間になぜか茨城の宣伝をされる始末です。

実はこれは南口駅舎であり、メインは少し離れた位置にある北口駅舎です。
向こうの駅舎には商業施設がたくさん入っており、山手線の駅たる風格があるのですが、今回はあえてこちらの南口改札から出ました。
この駅舎、一見ただのボロっちくて小さい建物ですが、壁に貼られたプレートをよく見てみると……

昭和3年!
1928年(昭和3年)に建てられた建物だということを示す表記を発見しました。
そう、この南口駅舎、めちゃくちゃ古い建物なのです。
東京都公式Xから引用
こちらは1963年(昭和38年)に撮影された南口駅舎の写真。完成から35年が経っており、この時点でも既に結構年季が入っているように見えますね。

1963年(昭和38年)と2023年(令和4年)現在の比較。
売店が撤去されたり、屋根の張り替えが行われたりという細かい改築は行われていますが、建物自体はなんと100年近く同じものを使っているようです。
山手線の駅舎で最も古いのは1924年(大正13年)に建てられた原宿駅でしたが、2020年に廃止され取り壊されています。おそらく現存する山手線の駅舎で最も古いのが1927年(昭和2年)に建てられた鶯谷駅南口で、田端駅南口は2番目だと思われます。
「山手線 乗降者数ランキング」ワースト3位の田端駅ですが、実は「歴史ある山手線の駅ランキング」第2位でもあるのです!
田端は東京の玄関だった

メインの北口改札へやってきました。南口駅舎の数十倍大きいですね。人もたくさんいます。

駅前はこんな感じ。
こじんまりした印象は受けますが、結構人が多く、外国人観光客もたくさんいました。
そして注目していただきたいのが、駅の場所です。よく見ると、実は駅もロータリーも橋の上なのです。

駅の横から見てみるとよくわかります。
このように、駅舎の下を線路が通っています。橋上駅舎といわれる構造です。

右側が崖でその上は住宅街なので、土地の買収が難しかったため必然的にこういった形になったのだと思われます。
では崖側でなく、反対側の土地に作れば良かったのでは?と思いきや、

よく見るとなんと反対側にもまた橋があります!

意外と知られていませんが田端は鉄道の街であり、御覧の通り物凄い数の線路が敷かれているため、駅を作れるような土地がないのです。
こんなにもたくさんの線路が敷かれているのは、田端駅が明治時代には大ターミナル駅であり、現在もJR関連施設が付近に集約しているためです。

田端駅が開業した1896年(明治29年)、まだJRはなく、その前身である日本国有鉄道も存在していませんでした。
日本史の教科書に書いてあることでお馴染み「日本初の鉄道」である「新橋~横浜」間だけが国の路線であり、他はほとんど民間企業の路線だったのです。
様々な私鉄会社があちこち独自に線路と駅を作っている状態で、田端駅もその一つでした。
山手線の成り立ちがわかる動画(かなりわかりやすい)
田端駅はもともと、日本鉄道という会社の「上野~青森」間の路線(現・東北本線)用に作られた駅です。
崖の下のこの土地はだだっ広い田んぼしかなく、都心部に比べて開発がしやすかったのです。現に「田端」という地名は「田んぼの端っこ」であったということを示しています。
その後1年もしないうちに、田端を起点とした「田端~茨城県土浦」間の土浦線(現・常磐線)が開業。
それぞれの路線は北に住む多くの人を田端、そして東京へ運ぶことになりました。

1903年(明治36年)には「田端~池袋」間(現・山手線)が開業。
画像の通り、田端駅には日本鉄道路線(東北本線)、土浦線(常磐線)、山手線の3路線が乗り入れており、この時代 田端は間違いなく日本における交通の要衝でした。
その後、常磐線が田端駅を通らないルートになったり、新たに線路が敷設されたことにより山手線が環状運転を始めたり、時代が流れてゆき田端駅は「山手線の地味な駅」になってしまったというわけです。
しかし、現在でも田端駅周辺にはJRの重要な施設がいくつも存在しています。
説明が長くなってしまいましたが、その辺も見ながら再び田端観光に戻りましょう。
散歩の続きはこちら↓
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