どうもでございます。
ばすてい(@morosaredo)です。
デバイスで再生した曲を自動で取得し、記録してくれるアプリ「last.fm」。
イギリス生まれの「音楽特化型SNS」であり、日本では2006年にサービス開始。認知度はそれほど高くありませんが、音楽好きを中心になんだかんだ愛されて続いています。
Google検索でこの記事に辿り着いた方は既にlast.fmのユーザーの方だと思いますので説明は省きますが、モロサレド読者の方でまだlast.fmを知らない方のためにも今度紹介記事を書く予定です。
当サイトのモットーとして、パソコンに明るくない方にも納得いただけるよう、くどいくらい丁寧に説明を記しています。人によっては「はやく言いなさい!」と感じるかもしれませんが、そこのところはどうぞご容赦願います……m(_ _)m
方法だけ知りたいという方は、「個人開発ソフト「AMWin-RP」を使って、Microsoftアプリ版「AppleMusic」をScrobbleする」という見出しまでスキップをお願いします。
Microsoftストア版「AppleMusicアプリ」って何
2024年2月、MicrosoftストアにてAppleMusicアプリが配信されました。サブスクサービス「AppleMusic」に契約している人のためのアプリであり、配信されている1億曲以上が聴き放題になります。
ではAppleMusicアプリが配信されるまでは、WindowsでAppleMusicのサービスを利用できなかったのかというと、そういうわけでもありません。
Appleの公式サイトでiTunesのデスクトップアプリをダウンロードするか、MicrosoftストアでiTunesアプリをダウンロードするかして、iTunes内で聴けるようになっていました。
iTunesは皆様ご存じの通り音楽の販売サイトであり、定額聴き放題のAppleMusicとは異なるサービスです。今回MicrosoftストアでAppleMusicアプリが配信されたことによって、iTunesとAppleMusicが別のアプリとして分離され、わかりやすくなったというわけですね。
ちなみにWindowsには「デスクトップアプリ」と「Microsoftアプリ」、という概念が存在します。
デスクトップアプリとはWEBサイトからダウンロードしたソフトウェアを指し、Microsoftアプリは、パソコンに最初から入っている「Microsoftストアアプリ」からダウンロードしたソフトウェアを指します。わかりづらいですね。
どちらのほうが優れているとかはありませんが、MicrosoftストアアプリはWindowsに最適化されて開発されているので、拡張性は低いですが使いやすかったりします。
あとWindows特有の、ソフトダウンロードの面倒くささがないのもいいですね(自分のパソコンに入っているWindowsが32bitなのか64bitなのかを考えたり、「.exe」ファイルを開いてインストーラーを使ったり、「.zip」を解凍したり……。慣れていない人には訳が分からないですよね)。
このようにAppleMusicアプリが配信されたわけですが、iTunesアプリを使い続けたい場合はそれも可能です。iTunesアプリとAppleMusicアプリの併用はできない仕様になっており、AppleMusicアプリを入れるとiTunesアプリでの音楽再生機能が自動で消えるようになっています。
AppleMusicアプリ、last.fmでScrobbleできない問題
さて、ここからが本題です。
前述したとおり、Windowsでは音楽再生機能が「iTunesアプリ」から「AppleMusicアプリ」へと移行されました。
AppleMusicアプリのメリットとして、ロスレス再生が可能になるという大きなポイントがあります。
近年、AppleMusicではCDと同じ音質、あるいはそれ以上であるハイレゾ音質の「ロスレス音源」を配信しています。iPhoneやMacbookなどのApple社のデバイスであれば以前からロスレス音源を再生できましたが、Windowsではずっと劣化音源しか再生できませんでした(理由は明らかにされていませんが、いわゆる計画的陳腐化マーケティングだと思います)。
というわけで、AppleMusicアプリを入れればついにWindowsでも高音質再生ができる!と思ってすぐにダウンロードをしたわけですが、ここで問題が発生しました。
last.fmに認識されない!
これです。
まぁいつかlast.fmがアップデートされて、AppleMusicアプリに対応する日が来るだろう……と思ってたら2年くらい経ってました。
もう辛抱ならんので自分でなんとかしようと思い立ち、今回やってみたらうまくいったので備忘録的にこの記事にまとめておきます。
個人開発ソフト「AMWin-RP」を使って、Microsoftアプリ版「AppleMusic」をScrobbleする
last.fmのScrobblerにAppleMusicの曲情報を認識させるために、「AMWin-RP」というソフトを使用します。
「AMWin-RP」は海外の有志プログラマーが開発したソフトウェア。パソコンの起動と同時にソフトを立ち上げる設定があるので、全自動でAppleMusicの情報をScrobbleできます。
非公式であることや、日本語での口コミが一切ないため全然広まっていませんが、海外ではちょいちょい利用者がいる様子。2024年7月現在だと、約27000人がダウンロードしているようです。
もちろん、個人開発のソフトウェアであることには留意が必要です。企業がリリースした公式のソフトではないので、不具合などがあってもご愛嬌です(私が使っている限りは特になかった)。また、安全性に関してもあくまで自己責任というやつです。
ダウンロードは「GitHub」というサイトから可能。
「GitHub」はアメリカの企業が運営しているサイトであり、世界中のプログラマーが自身の作成したプログラミングコードやソフトウェアを共有できるサービスです。ダウンロードするだけであれば会員登録などは不要で、料金もかかりません。
「AMWin-RP」のダウンロード方法
まずは「GitHub」の「AMWin-RP」配布ページにアクセスして、リストの中にある「AMWin-RichPresence-v1.4.5.zip」という項目をクリックします。
フォルダーがダウンロードされたら、「すべて展開」をクリックして展開。
展開されたフォルダーの中にある「AMWin-RichPresence」というファイルをダブルクリックして開きましょう。これがアプリ本体です。
「WindowsによってPCが保護されました」という案内が出たら、「詳細情報」をクリック。これは、個人製作のソフトをダウンロードする際に出るポップアップです。
「詳細情報」を押して表示された「実行」ボタンをクリック。
パソコン画面の右下、タスクバーの「^」ボタンをクリック。
「AMWin-RichPresence」のアイコンをダブルクリック。
「AMWin-RichPresence」アプリが開きます。それぞれ設定項目がありますが、基本的には変更しなくてOK。いちばん上の「Run when Windows starts」にチェックを入れておくと、パソコン起動時に自動で起動させる設定にできます。起動し忘れてscrobbleできてなかった!という事態を防げて便利です。
下部のLast.FMの欄にはAPIキーを入力する必要があります。というわけでlast.fm公式サイトのAPI取得ページにアクセスします。
必要事項を入力。
「Contact email」には自分のメールアドレス、「Application name」にはAMWin-RichPresence、「Application description」にはAMWin-RichPresenceの説明(「Microsoftアプリ版AppleMusicの情報をlast.fmに読み込むソフトウェア」など)、「Callback URL」は入力不要、「Application homepage」にはGitHubのAMWin-RichPresence配布ページ(https://github.com/PKBeam/AMWin-RP)のリンクをコピペ。
と、こんな感じで入力すればOK。
これでAPIキーが作成されます。
使うのはAPI Keyのコードと、Shared secretのコードです。
API KeyのコードをAMWin-RichPresenceアプリ内のAPI Key欄にコピペ。Shared secretのコードをAMWin-RichPresenceアプリ内のAPI Secret欄にコピペ。
Username欄には自身のlast.fmのユーザーID、Passwordにはlast.fmのパスワードを入力。右下の「Save Credentials」をクリックして、設定完了です!
これで、Microsoftストア版AppleMusicアプリで再生した曲を自動でlast.fmにScrobbleしてくれます!
以上!
という感じでございました。
AppleMusicアプリでScrobbleできないなら、もうlast.fmやめようかな……と思っていた人も割といたんじゃないかと思います。「AMWin-RP」を利用して、再び自分の音楽史を記録してみては……!?
最後に、声を大にして言いたい……。開発者さん、本当にありがとうございます!!!!!!!!!!!!